ガンガンいこうぜ 

1.はじめに
「仕事に繋がればいいや」「街の有名企業の人たちと友達になれれば仕事に繋がるかも」「嫌だったらすぐに辞めよう」という軽い気持ちで2016年に高萩青年会議所へ入会し7年が経ちました。私は今年で40歳になります。高校を17歳の年に中退して社会に出て約20年、社会人人生の約3分の1の時間を青年会議所に在籍している事になります。誰がこんな私を想像したでしょう。何もかも中途半端な人間が勢いで起業して、軽い気持ちで人脈を作りたいから入会した青年会議所に7年も在籍し、さらには記念すべき第55代の理事長になってしまうとは。これは間違いなく温かく粘り強い優しさ、そして海よりも深い愛を持って私に青年会議所とは何たるかを指導してくれた先輩諸兄姉、そして周りでいつも支えてくれているメンバーのおかげです。本当に感謝の言葉しかありません。ありがとうございます。改めて一般社団法人高萩青年会議所第55代理事長としての責任を果たすことをここに誓います。

2.街づくりについて
日本では少子高齢化社会が深刻化しています。これは寿命が延びたというのも一つの原因ですが、何よりも深刻なのは出生率の低下です。高萩市においては人口に対して15歳未満の子供が9%しかいません。この問題を解決するために日本青年会議所ではベビーファースト運動を開始致しました。まだ始まったばかりなので内容は非常にフワッとしていますが、「子育て世帯が子供を産みたくなる社会を実現するための運動」です。この素晴らしい運動を高萩の地に落とし込み、少子高齢化を解決する一歩を踏み出します。また、私たちが住む日本は現在もマスクは必須のコロナ真っ最中です。そんな中2022年度は高萩祭りが開催され過去にない大盛況でした。私も家族で参加したのですが、我が娘の楽しそうな姿が今も忘れられません。そこで青年会議所で何ができるか?自分は理事長として何がしたいのか?と考えた時に「コロナ前の様に戻りたいなぁ」と強く思いました。完全にコロナ前と同じ生活に戻る事はできませんが、コロナと共にどう生きていくかを真剣に考え、コロナで無くなってしまった思い出に残ってるものを復活させたいと思いました。具体的には20年ぶりに高萩花火大会を復活させます。どこまでできるかは正直わかりませんが、最大限挑戦します。

3.人づくりについて
人をどうやって育てるのか?そんな事に100点の答えなんてありえません。ただ人がどうやって成長するかはわかります。新しい事や今までやった事の無いことに挑戦、行動する事、経験する事です。どんなに知識だけがあっても一度経験した人には絶対敵いません。百聞は一見に如かずというのは本当です。これが一番の修練であり成長のチャンスです。
失敗も成功も挑戦した結果の経験です。
今年度はJC三信条の中でも特に世界との友情に目を向け、国外での交流事業に挑戦をします。我々地域のリーダーとして日本の常識に捕らわれず世界の常識や文化の違い、考え方の違い等、日本の枠にとらわれず広い知識を身に着け、視野の広い考えを持った人材へと導きます。
青年会議所は私の知る限り失敗の許される数少ない団体です。なぜなら自分たちで会費を払い、その会費の中で勝手に事業を構築してるので誰にも文句を言われる筋合いが無いのです。今年度は挑戦こそが人づくりであるという考えの元、新しいことにどんどん挑戦します。ノーリスクで挑戦の経験ができるのは青年会議所の良い所です。

4.仲間づくりについて
青年会議所の活動は、決して一人でできるものではありません。そして近年は人がどんどん減っています。なぜ人が高萩市から、青年会議所から減っているかを考えると一つの答えにたどり着きました。今の我々、そして高萩市に魅力が無いのです。魅力が無い団体、街に人が集まらないのは至極当然の事です。ではどうすれば良いか?人はどんな人間に魅力を感じるのか?その問いに私は一つの答えを持っています。自分自身の作戦を「ガンガンいこうぜ」に設定している人は魅力的だと私は思います。簡単に説明しましょう。ドラゴンクエストというゲームがあります。勇者的な人物が主人公でその他に3名~10名程の仲間と世界を脅かす魔王を倒すために壮大な冒険を繰り広げる日本を代表する超名作ロールプレイングゲームです。共に旅をする仲間に戦闘時どんな行動をして欲しいかをプレイヤーが作戦というコマンドの中から一つを選択して仲間を操作します。作戦には「めいれいさせろ」「いのちをだいじに」「MPつかうな」「いろいろやろうぜ」「バッチリがんばれ」「ガンガンいこうぜ」この6種類のラインナップから一つを選びます。99%の人は「めいれいさせろ」か「MPつかうな」のどちらかです。なぜならボスと戦う前にMPを使いたくないから、ペースを考えて進みたいからです。「ガンガンいこうぜ」を選択すると敵と戦う度に自分の持ってる最強の技を使い続けます。スライム等の雑魚キャラにメラゾーマやイオナズンといった技を使いまくり、ボスと戦う時にはMPはゼロです。確かに私自身もゲーム内では「ガンガンいこうぜ」はほとんど選択しません。「めいれいさせろ」を選択します。しかし青年会議所はゲームではありません。「めいれいさせろ」や「MPつかうな」で人生のペースを考えて力を出し惜しみしていては見ている方もやっている方も面白くありません。やはり面白いのは「ガンガンいこうぜ」が魅力度ランキング一位です。何事にも全力で挑戦する人は、見ていても面白いし、一緒に遊んでいても楽しいです。自分自身の作戦を「ガンガンいこうぜ」に設定して、我々自身が魅力ある人間、団体になれば必ず周りに人が集まり、仲間づくり(会員拡大)につながると確信してます。

5.終わりに
「理事長所信を何回も読み、理事長所信を自分の心に落とし込んでメンバーは事業方針を書くんだ。」
偉大なる先輩の一言です。まさか自分が理事長になり所信を書くことになるとはこの時は想像してませんでしたが、現在この言葉を胸に筆を走らせています。本当は「誰にもバレなそうな理事長所信をパクリ、思ってもいない薄っぺらい言葉を並べ、それっぽく書いちゃおうかな?」こんな悪魔が私に囁いた事もあります。しかし!先輩の言葉がそれを許さず、この所信がメンバーの一年を左右するのであれば本当の本心で所信を書かなければメンバーに失礼だと思い出来るだけ自分の言葉で自分の思いを書きました。

「理事長の責任を果たしたい、少子高齢化を止めたい、高萩の花火を復活させたい、国際交流、作戦はガンガンいこうぜ、この高萩をよりよい街にしたい」

さらに本音を言わせて頂くと、一年間高萩青年会議所のメンバーと一生の思い出を作りたい、メンバーに一年間楽しかった、挑戦して良かったと言って欲しい、そして花火を復活してくれてありがとうと高萩の人に言われたい、自分でも理事長になって良かったと思いたい。わがままですがこれが本音です。このわがままが現実になるよう今年度は本気でガンガンいきます。